今まで本当にごめんなさい。
脇役だと思っていたのに、本気を出すと主役級になる名役者っていますよね。
グルメ界にも、そんな存在は身を潜めています。
例えば、キノコ。
「好きな食べ物は?」と聞かれ、「キノコーー!!!」とパッション熱く答えた人に、私は未だかつて出会ったことがありません。いつもなんか気付いたら味噌汁の中にいるし、鍋の日には必ずといって良いほど顔を合わせているのにも関わらず、好きな食べ物を聞かれた時には脳裏によぎることがあまりなかった、キノコ。
天ぷらにもなれるし、ソテーにもなれるし、パスタと混ざり合うことだって出来るいわばカメレオン俳優のような存在だというのに、決して自らを主張しないキノコ。
だんだんキノコがかわいそうになってきましたが、実は先日キノコを丁寧にバーベキューで焼いたら、なんととんでもなく美味しく仕上がってしまったのです。
それはまさに主役級の味わいで、「鳩に豆鉄砲とはこのことだったのか」、と天を仰いで呟きたくなるほどに衝撃でした。